Amazonビジネスという名前は聞くけれど、普通のAmazonと何が違うのか分からない。そんな状態ではありませんか。
ひとことで言うと、事業で使う買い物に特化した無料のアカウントです。
法人だけのものと思われがちですが、個人事業主も登録できます。この記事では何ができるのか、誰が使えるのかを整理します。
記事のポイント
- 登録も基本的な利用も無料
- 請求書払いで立て替え精算がなくなる
- 適格請求書をまとめて取得できる
- 個人事業主も登録できる
Amazonビジネスとは事業用の購買アカウント
Amazonビジネスは、仕事の備品や資材を買うために用意されたアカウントです。
扱っている商品も画面の使い勝手も、普段のAmazonとほとんど同じです。
違うのは、経理の手間を減らすための機能が組み込まれている点です。
請求書でまとめて支払う、複数人の購入をひとつのアカウントで管理する、適格請求書をまとめて取り出す。こうした業務向けの仕組みが標準で使えます。
登録も基本的な利用も無料なので、まず作ってみて必要な機能だけ使う進め方ができます。
サービスの概要は(出典:Amazon公式のAmazonビジネス紹介ページ)で公開されています。
個人向けAmazonとの違い
何が変わるのかを3つに絞って説明します。
この3つが不要なら、無理に切り替える必要はありません。
法人価格と数量割引が使える
多くの商品に、通常より安い事業者向けの価格が設定されています。
さらに、同じ商品をまとめて買うときに単価が下がる仕組みもあります。
コピー用紙や清掃用品のように、定期的に一定量を消費するものほど差が出ます。
ただしすべての商品に割引があるわけではないので、実際の商品ページで確認してください。
Amazonの各サービスの位置づけはAmazonのサブスクを比較した記事で整理しています。
請求書払いができる
これが最も分かりやすい違いです。
審査を通れば、1か月分の購入をまとめて後から支払えるようになります。
従業員がその都度立て替えて、あとで精算するという流れをなくせます。
締め日は複数の選択肢から選べるため、自社の会計サイクルに合わせられます。
請求書払いはアカウント登録とは別に審査があります。
最初は利用できる金額の枠が小さめに設定されることが多く、あとから増額を申請する形になります。
複数人で使い分けられる
ひとつのアカウントに、従業員をユーザーとして追加できます。
部署ごとにグループを作り、配送先や支払い方法を管理者が固定することもできます。
一定金額を超える注文には上長の承認を必須にする、といった設定も可能です。
誰が何をいくらで買ったかが記録に残るので、経費の流れが見えるようになります。
無料でできることと有料プラン
Amazonビジネスには無料の範囲と、追加費用がかかる範囲があります。
境目を知っておくと判断しやすくなります。
無料アカウントの範囲
アカウントを作るだけで、次のことができます。
- 事業者向け価格や数量割引での購入
- 請求書払いの申し込み
- 適格請求書のダウンロード
- 購買データの一括出力
- ユーザーの追加と権限の設定
- 見積書の発行
経理の手間を減らす機能の多くは、この無料の範囲に入っています。
見積書は商品をカートに入れた状態でボタンひとつで作れるため、稟議や補助金の申請にそのまま使えます。
Businessプライムで増える機能
有料の会員プログラムがBusinessプライムです。
加入するとお急ぎ便が使えるようになり、購買の分析や承認の仕組みも解放されます。
利用する人数に応じて複数のプランが用意されています。
1人だけで使う場合、個人向けのAmazonプライム会員であることを条件に、追加費用なしで配送特典を使えるプランがあります。
ただし個人のプライムを解約すると、この資格も同時に失われます。
個人向けプライムの特典はアマゾンプライムの特典一覧をまとめた記事で確認できます。
加入状況はAmazonプライムの公式サイトから見られます。
経理まわりで効いてくる機能
ここがAmazonビジネスを使う一番の理由になる部分です。
買い物そのものより、そのあとの処理で差が出ます。
適格請求書をまとめて取得できる
消費税の仕入税額控除を受けるには、要件を満たした請求書の保存が必要です。
個人向けのAmazonでは、注文ごとに1件ずつ取得することになります。
Amazonビジネスなら、期間を指定してまとめてダウンロードできます。
件数が多い月ほど、この差は大きくなります。
なお、こうした電子データは印刷せずデータのまま保存することが求められています(出典:国税庁の電子帳簿保存法に関する特設ページ)。
会計ソフトと連携できる
主要なクラウド会計ソフトとデータをつなげられます。
購入した明細が自動で会計ソフト側に取り込まれ、証憑も一緒に保存されます。
管理画面から領収書を1枚ずつ落として、手作業で登録するという流れがなくなります。
請求書払いと銀行口座の両方を会計ソフトに連携すると、同じ支出が二重に計上されることがあります。
連携の設定は会計ソフト側のヘルプを確認しながら行ってください。
どんな機能が使えるかは、実際にアカウントを作ると画面で確認できます。
\無料アカウントで何ができるか見てみる/
登録の条件と流れ
誰でも作れるわけではありません。
事業をしていることが前提になります。
対象になるのは事業者だけ
登録できるのは法人と個人事業主です。
会社員や学生が私的な買い物のために使うことは想定されていません。
事業者向けの価格が設定されているため、実態の確認が行われます。
法人の場合は登記情報をもとに照合されるので、書類の提出は基本的に不要です。
副業や屋号なしでも登録できるかは、Amazonビジネスが個人利用できるかを解説した記事で整理しています。
個人事業主は書類が必要
個人事業主は、事業を営んでいることを示す書類を1点提出します。
開業届や確定申告書などが対象です。
ここで気をつけたいのが、入力した情報と書類の記載を一致させることです。
住所の表記が少し違うだけでも審査に通らないことがあります。
マイナンバーが載っている書類は、その部分を黒く塗ってから提出してください。
書類の一覧と審査の流れは、Amazonビジネスの登録方法をまとめた記事で詳しく扱っています。
使う前に知っておきたい注意点
導入してから気づくと面倒な点を3つ挙げます。
特に1つ目は、あとから戻すのが難しい部分です。
個人アカウントを流用すると履歴が共有される
登録時に今使っているAmazonのメールアドレスを入力すると、そのアカウントがビジネス用に切り替わります。
このとき、過去の購入履歴もそのまま引き継がれます。
複数人で使う場合、管理者から個人の買い物が見える状態になります。
一人で事業をしている場合を除き、業務用のメールアドレスで新しく作るほうが安全です。
個人向けプライムの特典は使えない
Businessプライムは購買を支援するためのもので、動画や音楽の特典は付いていません。
個人アカウントを切り替えた場合、それまで入っていた個人向けプライムは解約扱いになります。
Prime VideoやPrime Readingを使い続けたいなら、アカウントは分けてください。
少額の注文には送料がかかる
無料のアカウントでは、注文金額が一定額に届かないと配送料が発生します。
細かい買い物を何度も繰り返すと、送料が積み上がります。
まとめて注文するか、配送特典のある有料プランを検討するかの判断になります。
自分の事業形態で登録できるかは、申し込み画面を開くと確認できます。
\登録条件を実際の画面で確かめる/
Amazonビジネスに関するよくある質問
Amazonビジネスは無料で使えますか
アカウントの作成と基本的な利用は無料です。
請求書払いや適格請求書の一括取得も、無料の範囲に含まれます。
お急ぎ便や購買の分析機能を使う場合は、有料プランへの加入が必要です。
個人事業主でも登録できますか
登録できます。
ただし事業を営んでいることを証明する書類の提出が必要です。
開業届や確定申告書などのうち、いずれか1点を用意してください。
個人向けのAmazonと併用できますか
別のメールアドレスで作れば併用できます。
仕事の買い物はビジネス側、私的な買い物は個人側と使い分けられます。
今のアカウントをそのまま切り替えると、購入履歴が引き継がれるので注意してください。
Prime Videoは見られますか
Businessプライムには動画や音楽の特典は含まれていません。
購買を支援するためのプログラムだからです。
個人向けの特典を使いたい場合は、個人アカウントを別に持ってください。
Amazonビジネスのまとめ
Amazonビジネスは、事業で使う買い物のためのアカウントです。
登録も基本的な利用も無料で、法人だけでなく個人事業主も対象になります。
価値が出るのは価格よりも、請求書払いと適格請求書の一括取得という経理側の機能です。
立て替え精算と領収書集めがなくなるだけでも、月々の手間はかなり減ります。
始めるなら、今のアカウントを切り替えるのではなく業務用のアドレスで新しく作ってください。
そのうえで、必要になった機能だけ後から足していくのが無駄のない進め方です。
なお、画面の表示や項目名は変更される場合があります。





