「kindle版とは何だろう?」と気になっていませんか。普段お使いのスマホやpcで手軽に本が読める便利なサービスですが、実際の料金やKindle版の本はどうやって買う?といった使い方が分からず、利用をためらっている方も多いかもしれません。
また、kindle端末いらないのか、kindle無料で試せるのか、便利なkindleアプリの機能、さらにはキンドルの欠点は何?といった疑問や、万が一のサービス終了のリスクについても知っておきたいですよね。
この記事では、そんなKindleに関するあらゆる疑問に答え、初心者の方でも安心して始められるように徹底解説します。
※クリックすると公式サイトに飛びます。期間内に解約すると料金はかかりません
本記事の内容
- Kindle版の基本的な仕組みや料金体系
- スマホやPCなど様々なデバイスでの使い方
- Kindleのメリットと知っておくべきデメリット
- 専用端末の必要性や各サービスの違い
本ページの情報は2025年10月時点の情報です。最新の配信情報は配信サイトにてご確認ください。
初心者向けに解説!kindle版とは何か
ポイント
- Kindle版の料金はいくらかかる?
- kindle無料の本やサービスの紹介
- Kindle版の本はどうやって買う?
- 購入後の基本的な使い方を解説
- 便利なkindleアプリのダウンロード方法
Kindle版の料金はいくらかかる?
Kindleをこれから始めようとする方が最も気になる点の一つが、料金体系ではないでしょうか。結論から申し上げますと、AmazonのKindleストアを利用すること自体に、月額料金などの固定費は一切かかりません。
年会費なども不要で、Amazonのアカウントを無料で作成しさえすれば、誰でもすぐにKindleストアで膨大な数の電子書籍を探し、内容を確認することが可能です。
料金が発生するのは、実際に電子書籍を購入する、あるいは有料のサービスに加入するタイミングです。基本的な利用方法は、紙の本屋で本を買うのと同じ「都度購入」スタイルとなります。
電子書籍は、紙の書籍と違って印刷費や製本コスト、店舗への輸送費や在庫管理コストがかかりません。そのため、多くの電子書籍が紙の定価よりも10%〜30%ほど安価に設定されている点が、利用者にとって大きなメリットです。
さらに、Amazonプライムデーや年末のサイバーマンデーといった大規模セールの際には、Kindle本も大幅な割引対象となることがあります。
ポイント還元キャンペーンが併用されることも多く、タイミングを見計らって購入することで、さらにお得に読書を楽しむことができます。
もちろん、特定の本を読むだけでなく、もっと幅広く、たくさんの本をお得に楽しみたいという方向けのサブスクリプション(定額制)サービスも充実しています。
Kindleの料金プランは主に3種類
- 都度購入:読みたい本を1冊ずつ購入する最も基本的な方法です。価格は書籍ごとに異なり、セールやキャンペーンでお得になることもあります。
- Kindle Unlimited:月額980円(税込)で、小説、ビジネス書、実用書、漫画、雑誌など、和書・洋書を合わせて対象の200万冊以上の書籍が読み放題になるサービスです。同時に20冊まで端末にダウンロードしておけます。
- Prime Reading:Amazonプライム会員(月額600円または年額5,900円)に含まれる特典の一つです。追加料金なしで、対象の1,000冊以上の書籍(小説、漫画、雑誌など)が読み放題になります。
このように、ご自身の読書スタイルや頻度に合わせて、最適な料金プランを選択できるのがKindleの強みです。
月に数冊以上コンスタントに本を読む方や、様々なジャンルの本に触れたい方であれば、Kindle Unlimitedの利用が非常に高いコストパフォーマンスを発揮するでしょう。
一方で、プライム会員の方は、まずはPrime Readingで電子書籍の便利さを体験してみるのがおすすめです。
項目 | Kindle Unlimited | Prime Reading |
月額料金(税込) | 980円 | 600円 (プライム会費) |
読み放題冊数 | 200万冊以上 | 1,000冊以上 |
対象者 | すべての方 | Amazonプライム会員のみ |
特徴 | 幅広いジャンルの本をとことん読みたい方向け。雑誌のバックナンバーも豊富。 | プライム特典の一部として気軽に試したい方向け。対象は随時入れ替わる。 |
kindle無料の本やサービスの紹介
「Kindleは便利そうだけど、お金がかかるのはちょっと…」と感じている方もご安心ください。実は、Kindleには無料で本を読める方法が豊富に用意されています。
有料サービスを契約する前に、まずはこれらの無料コンテンツを活用して、電子書籍の使い心地や魅力を存分に体験してみることを強くおすすめします。
主な無料サービスやコンテンツは、以下の通りです。
読み放題サービスの無料体験
前述の「Kindle Unlimited」とAmazonプライムの特典である「Prime Reading」には、初めて利用する方向けの無料体験期間が設けられています。
Kindle Unlimitedは通常30日間(キャンペーンによっては2ヶ月や3ヶ月の場合もあります)、Prime Readingはプライム会員自体の無料体験として30日間、対象の電子書籍がすべて読み放題になります。
この期間中にサービス内容が自分の読書スタイルに合っているかをじっくりと見極めることが可能です。もちろん、無料体験期間が終了する前に解約手続きを行えば、料金は一切発生しません。
日替わり・月替わりセールと無料書籍
Kindleストアでは、毎日1冊が特別価格になる「日替わりセール」や、毎月1日に多数の書籍が割引価格になる「月替わりセール」が定常的に開催されています。
これらのセールでは、ベストセラーや話題作が大幅に割引されるだけでなく、中には期間限定で価格が0円(無料)に設定されるプロモーション書籍も含まれることがあります。
特にインディーズ作家の作品やシリーズものの第1巻などが無料提供されることが多く、新たな作家やジャンルを開拓する絶好の機会となるでしょう。
青空文庫の膨大な作品群
著作権の保護期間が満了した文学作品などを収集・公開しているインターネット上の電子図書館「青空文庫」の活動により、数多くの名作がKindleストアでも無料で配信されています。
夏目漱石の『こころ』や芥川龍之介の『羅生門』、太宰治の『人間失格』といった、日本の近代文学を代表する文豪たちの作品を、いつでも好きな時にダウンロードして読むことが可能です。海外文学の翻訳作品も含まれており、知的好奇心を満たすための宝庫と言えるでしょう。
購入前のお試しに最適な無料サンプル
Kindleストアで販売されている有料の電子書籍のほとんどには、書籍の冒頭部分を無料で読める「サンプル(試し読み)」機能が用意されています。
「買ってはみたものの、文体が合わなかった」「思っていた内容と違った」といった購入後のミスマッチを防ぐための、非常に有効な機能です。
特に、高価な専門書やビジネス書を購入する際には、まずサンプルをダウンロードして、自分にとって本当に価値のある情報が書かれているかを確認することをおすすめします。
Kindle版の本はどうやって買う?
Kindle本の購入方法は非常にシンプルで、普段Amazonで買い物をするのと同じような感覚で手続きできます。
ただし、初めて利用する方が戸惑いやすい、一つだけの重要な注意点が存在します。
それは、iPhoneやAndroidスマートフォンにインストールした「Amazonショッピングアプリ」の中から、直接Kindle本を購入することはできないという制約です。
アプリ内での直接購入ができない理由
これはAmazonアプリの不具合やエラーではありません。Apple (App Store) やGoogle (Google Play Store) のプラットフォーム規約により、アプリ内で電子書籍のようなデジタルコンテンツを販売する場合、プラットフォーム側に売上の一部を手数料として支払う必要があります。
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参考kindleのアプリで本が買えない?原因と対処法を解説
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Amazonはこの手数料負担を回避するため、意図的にアプリ内でのKindle本販売機能を停止しています。このため、ユーザーは一手間かける必要がありますが、これは「仕様」であると理解しておくことが重要です。
では、スマートフォンから購入するにはどうすればよいかというと、SafariやChromeといったWebブラウザアプリを起動し、そこからAmazonの公式サイト(Amazon.co.jp)にアクセスして購入します。
もちろん、パソコンのWebブラウザからも同様に購入が可能です。具体的な手順は以下の通りです。
ブラウザからのKindle本購入手順
・STEP1:Amazon公式サイトへアクセス
スマートフォンやPCのWebブラウザで「Amazon.co.jp」を開き、ご自身のAmazonアカウントでログインします。
・STEP2:書籍の検索
上部の検索バーに探している本のタイトルや著者名を入力して検索するか、「カテゴリ」から「Kindle本&電子書籍リーダー」→「Kindleストア」へと進み、ジャンルやランキングから本を探します。
・STEP3:Kindle版の選択と確認
購入したい本の詳細ページを開き、「単行本」「文庫本」などの選択肢の中から「Kindle版(電子書籍)」が選ばれていることを確認します。価格が表示されている部分に「Kindle価格」と記載されています。
・STEP4:購入の実行
「1-Clickで今すぐ買う」または「カートに入れる」ボタンをクリック(タップ)します。支払い方法として、登録済みのクレジットカードのほか、Amazonギフト券残高も利用可能です。
・STEP5:購入完了とライブラリへの追加
購入が完了すると、「ありがとうございます」という画面が表示され、購入した本は自動的にあなたのアカウントのクラウド上の本棚(ライブラリ)に追加されます。
一度この購入手続きを済ませれば、あとはお持ちのスマートフォンやタブレットにインストールしたKindleアプリを起動するだけです。
アプリが自動的にアカウント情報を同期し、今購入したばかりの本がライブラリの先頭に表示されます。
読みたい本の表紙をタップして端末にダウンロードすれば、すぐにでも読書を始めることができます。
購入後の基本的な使い方を解説
無事にKindle本を購入できたら、いよいよ快適な電子読書体験の始まりです。ここでは、Kindleアプリの基本的な操作方法と、読書をさらに便利で豊かなものにするための便利な機能について、より詳しく解説します。
これらの機能は非常に直感的に使えるように設計されているため、デジタル機器に不慣れな方でも、少し触るだけですぐに使いこなせるようになるでしょう。
基本中の基本:ページのめくり方
最も頻繁に行う操作は、もちろんページをめくることです。操作方法は極めてシンプルです。
- 次のページへ進む:画面の右側半分(比較的広い範囲)をタップするか、画面を左方向へスワイプ(指でなぞる)します。
- 前のページへ戻る:画面の左端(狭い範囲)をタップするか、画面を右方向へスワイプします。
漫画や縦書きの小説など、日本の書籍の多くは右から左へと読み進めますが、Kindleアプリもこの読書文化に標準で対応していますので、紙の本と同じ感覚で読み進めることができます。
読書体験を向上させる便利な機能群
Kindleアプリの真価は、ただページをめくれるだけでなく、読書を多角的にサポートする多彩な機能にあります。

- 文字サイズとレイアウトの自由な変更:画面の中央あたりをタップするとメニューが表示されます。その中の「Aa」というアイコンを選択すると、文字の大きさ、フォント(明朝体、ゴシック体など)、背景色(白、黒、セピアなど)、行間や余白に至るまで、ご自身が最も読みやすいように細かくカスタマイズできます。目が疲れやすい方や、小さな文字が読みにくいと感じる方には非常に嬉しい機能です。
- ハイライトとメモ機能:学習や仕事で重要な箇所、あるいは心に残った一節などを、指で長押ししてなぞるだけで、まるで蛍光マーカーを引くようにハイライト(色付け)できます。ハイライトした箇所には、自分の考えや疑問などをメモとして書き加えることも可能です。これらのハイライトとメモは一覧で表示・管理できるため、読了後に内容を要約したり、重要なポイントを振り返ったりする際に非常に役立ちます。
- 内蔵辞書とWikipedia連携:読書中に意味のわからない単語や知らない人名・地名が出てきても、その単語を長押しするだけで内蔵の辞書(国語辞典、英和辞典など)がポップアップ表示され、即座に意味を調べることができます。これにより、読書の没入感を妨げられることがありません。さらに、Wikipediaとも連携しているため、より詳細な情報をシームレスに調べることもできます。
- 強力な全文検索機能:本の内容全体から、特定のキーワードやフレーズを瞬時に検索できます。「あの登場人物が前に何を言っていたか確認したい」「特定の専門用語が解説されているページをもう一度読みたい」といった場面で、紙の本のようにパラパラと探す手間なく、目的の箇所に直接ジャンプできます。
- X-Ray機能:特に小説などの物語を読む際に便利なのが「X-Ray」機能です。本に含まれる主要な登場人物、専門用語、画像などが一覧で表示され、その人物や用語が登場するページをすぐに確認できます。複雑な人間関係や設定を整理しながら読み進めたい時に重宝します。
便利なkindleアプリのダウンロード方法
Kindle本を様々なデバイスで楽しむためには、それぞれの環境に応じた専用の読書アプリ「Kindleアプリ」をインストールする必要があります。
このアプリは、Amazonによってスマートフォン、タブレット、そしてパソコン向けにすべて無料で提供されており、お使いのデバイスに合わせて公式サイトやアプリストアから簡単に入手することができます。
スマートフォン・タブレットへのインストール手順
外出先での読書や、手軽に本を楽しみたい場合に最も一般的なのが、スマートフォンやタブレットで利用する方法です。以下の手順で簡単にインストールが完了します。
- iPhone/iPad (iOSデバイス) の場合:デバイスに標準でインストールされている「App Store」アプリを起動します。画面下部の検索タブを選び、検索バーに「Kindle」と入力して検索してください。検索結果の中から、提供元が「AMZN Mobile LLC」となっているAmazonの公式アプリを選択し、「入手」ボタンをタップします。Face IDやパスワード認証が完了すると、自動的にダウンロードとインストールが始まります。
- Androidスマートフォン/タブレットの場合:デバイスに標準でインストールされている「Google Play ストア」アプリを起動します。上部の検索バーに「Kindle」と入力して検索してください。同様に、提供元が「Amazon Mobile LLC」であることを確認し、公式アプリを選択して「インストール」ボタンをタップします。
どちらのOSでも、インストールが完了したらホーム画面にKindleアプリアイコンが追加されます。
アプリを初めて起動する際に、ご自身のAmazonアカウント(メールアドレスとパスワード)でのログインを求められますので、入力すれば自動的にクラウド上のライブラリが同期され、購入済みの本が表示されます。
パソコン (Windows/Mac) へのインストール手順
自宅や職場で、パソコンの大きな画面でじっくりと読書をしたり、資料として活用したりしたい場合には、「Kindle for PC」または「Kindle for Mac」をインストールします。
- まず、お使いのパソコンのWebブラウザで「Kindle for PC」や「Kindle for Mac ダウンロード」などと検索し、Amazonの公式ダウンロードページにアクセスします。
- ページ上でお使いのOS(WindowsかMacか)が自動的に判別され、対応するダウンロードボタンが表示されますので、クリックしてインストーラーファイルをPCに保存します。
- ダウンロードが完了したら、保存したファイル(.exeまたは.dmg形式)を実行し、画面に表示される指示に従ってインストール作業を進めます。通常は数クリックで完了します。
こちらもインストール後、アプリケーションを起動してAmazonアカウントでログインすれば、他のデバイスとライブラリ情報や読書の進捗が完全に同期されます。
この同期機能(Whispersync機能)のおかげで、「朝の通勤電車ではスマホで読み進め、帰宅後はその続きからPCの大画面で読む」といった、デバイスをまたいだシームレスな読書体験が可能になるのです。
どこで読む?kindle版とは端末なしでも使えるか
ポイント
- kindle端末いらない?スマホやPCでも読める
- スマホでKindle本を読む方法
- PCでKindle本を読む方法
- 知っておきたいキンドルの欠点は何?
- サービス終了のリスクについて
kindle端末いらない?スマホやPCでも読める
「Kindleを始めたいけれど、あの黒くて四角い専用の電子書籍リーダーを買わなければならないのでは?」という疑問は、非常によく聞かれる質問の一つです。
結論から明確にお伝えすると、Kindle本を読むために、専用のKindle端末(Kindle Paperwhiteなど)は決して必須ではありません。
これまでに解説してきた通り、無料のKindleアプリをインストールしさえすれば、現在皆様がお使いのスマートフォン(iPhone, Android)、タブレット(iPad, Fireタブレットなど)、そしてパソコン(Windows, Mac)で、いつでもどこでもKindle本を読むことが可能です。
そのため、「まずは電子書籍がどんなものか試してみたい」「たまにしか本は読まない」という段階であれば、追加の出費をしてまで専用端末を購入する必要は全くないと言えるでしょう。
しかし、その一方で、Amazonが専用端末を開発し、多くの読書家に支持され続けているのには明確な理由があります。
専用端末には、スマートフォンや汎用タブレットにはない、「読書のためだけに最適化された」独自の優れたメリットが数多く存在するのです。
読書体験を格上げする専用Kindle端末の主なメリット
- E-ink(電子ペーパー)ディスプレイの採用:最大の特徴は、紙のインクの質感を限りなく再現した「E-ink」という特殊なディスプレイ技術です。スマートフォンなどの液晶画面と違い、自ら光を発するバックライトを使用しない(フロントライト方式)ため、ブルーライトがほとんど発生しません。その結果、目が非常に疲れにくく、紙の本を読むのと同じような感覚で長時間の読書が楽しめます。晴れた日の屋外でも、光の反射を抑えてくっきりと文字を読むことができます。
- 圧倒的なバッテリー持続時間:E-inkディスプレイはページの表示を切り替える瞬間にしか電力を消費しないため、バッテリーの持ちが驚異的です。モデルにもよりますが、一度のフル充電で数週間から、機種によっては最大12週間も利用できるものがあります。旅行や出張の際に充電器を持ち歩く必要がほとんどありません。
- 読書への完全な集中環境:専用端末は読書以外の機能(SNS、メール、ゲーム、Webブラウジングなど)を意図的に排除しています。そのため、スマートフォンで読書をしている時のように、不意の通知で集中を妨げられることが一切ありません。純粋に本の世界に没頭するための環境が手に入ります。
- 驚くべき軽量性と携帯性:多くのモデルが一般的な文庫本1冊よりも軽い150g~200g程度の重量です。この軽さで、小説なら数千冊分、漫画でも数百冊分もの蔵書を常に持ち運べるというのは、電子書籍ならではの大きな利点です。
もしあなたが「これから電子書籍を本格的な趣味にしたい」「通勤時間や寝る前の時間を、集中できる質の高い読書時間に変えたい」と本気で考えているのであれば、専用端末への投資は、あなたの読書ライフを劇的に豊かにしてくれることでしょう。
特に、活字中心の小説やビジネス書を長時間読むことが多い方にとって、E-inkディスプレイがもたらす快適さは、一度体験すると手放せなくなるほどの価値があります。
スマホでKindle本を読む方法
最も手軽かつスピーディーにKindleの世界に触れることができるのが、普段お使いのスマートフォンを活用した読書です。
現代人の多くが常に肌身離さず持ち歩いているデバイスだからこそ、通勤・通学中の電車内や、ランチタイムの短い休憩、誰かを待つちょっとした時間といった、あらゆる「スキマ時間」を価値ある読書時間へと変えることができます。
スマートフォンで読むことのメリット
スマホ読書の最大のメリットは、その比類なき携帯性と即時性にあります。新たな端末を買い足すためのコストや設定の手間が一切不要で、Kindleアプリをインストールしさえすれば、思い立ったその日から電子書籍ライフをスタートできるのです。
また、スマートフォンのディスプレイは高精細なカラー表示に対応しているため、漫画の鮮やかなカラーページや、ファッション雑誌の美しい写真、図解が豊富な実用書など、色彩が重要なコンテンツの魅力を損なうことなく存分に楽しむことが可能です。
スマートフォンで読むことのデメリット
一方で、手軽さゆえのデメリットもいくつか存在します。
スマートフォンが採用している液晶(LCD)や有機EL(OLED)ディスプレイは、画面自体が光を発するバックライト方式のため、長時間見続けるとブルーライトの影響で目が疲れやすいと感じる人が少なくありません。
特に就寝前にスマホで読書をすると、脳が覚醒して寝つきが悪くなる可能性も指摘されています。
また、スマホはコミュニケーションツールとしての側面が強いため、読書中であってもLINEのメッセージ、SNSの更新、ニュース速報といった様々な通知が頻繁に届きます。
その都度、読書が中断されてしまい、なかなか物語に集中しきれないという点も、多くの人が感じるデメリットでしょう。
さらに、画面サイズが物理的に小さいため、文字の多い書籍だと一度に表示できる情報量が少なく、頻繁なページめくりが必要になる場合もあります。
これらの特性から、スマートフォンでのKindle読書は、10分~15分程度の短い時間で気軽に楽しむスタイルに最も適していると言えます。
まずは日常のスキマ時間にスマホで電子書籍の便利さを体感し、もし「もっと長く、集中して読みたい」と感じるようになったり、目の疲れが気になったりするようであれば、その時点で専用端末の購入を検討するというステップを踏むのが、最も合理的で失敗のない始め方です。
PCでKindle本を読む方法
パソコンの大きな画面を活用し、より作業的・学習的に読書に取り組みたいというニーズに応えてくれるのが、デスクトップアプリ「Kindle for PC」です。
特に、技術書や専門書、論文などの資料を参照しながら、別のアプリケーションで作業(プログラミング、レポート作成など)を並行して進める際に、その真価を最大限に発揮します。
パソコンで読むことのメリット
PC読書の最大のメリットは、言うまでもなく大画面による圧倒的な一覧性の高さです。モニターのサイズによっては、雑誌や専門書を見開きで表示しても、細かな文字や図版までくっきりと読むことができます。
これにより、紙の書籍を机に広げているのに近い感覚で、ページ全体の構成やレイアウトを俯瞰しながら読み進めることが可能です。
また、キーボードやマウスといった精度の高い入力デバイスを使えるため、ハイライトやメモの追加、テキストのコピーといった操作を、スマートフォンよりも迅速かつ効率的に行えます。
これは研究や学習目的で利用する際に大きなアドバンテージとなります。複数のウィンドウを同時に画面に表示させ、Kindleの本とWordやExcel、Webブラウザなどを並べながら作業できるのも、PCならではの強力な利点です。
パソコンで読むことのデメリット
その利便性の一方で、デメリットは明確です。デスクトップPCはもちろん、ノートPCであっても、スマートフォンに比べて携帯性では大きく劣ります。
そのため、読書できる場所が自宅の書斎やオフィス、カフェなど、PCを落ち着いて開ける環境に限定されます。電車の中やベッドの上で気軽に、というわけにはいきません。
また、ディスプレイの問題はスマートフォンと同様です。バックライトで発光する液晶ディスプレイを長時間見続けることは、目の疲労に繋がりやすくなります。
あくまで、特定の場所で、特定の目的のために集中して使うための選択肢と考えるのが適切でしょう。
こんな利用シーンにPC版Kindleは最適
- プログラミングの技術書をモニターの片側に表示し、もう片側でコードエディタを開いて実践したいエンジニア
- 複数の論文や専門書から情報を引用・参照しながら、レポートや論文を執筆したい学生や研究者
- デザインや写真が豊富な雑誌を、細部まで潰れることなく大画面で快適に閲覧したいクリエイター
- 語学テキストの例文を参考にしながら、PCで文章作成の練習をしたい語学学習者
知っておきたいキンドルの欠点は何?
Kindleは「場所を取らない」「いつでも買える」「持ち運びが楽」といった数多くのメリットを持つ、非常に便利なサービスです。しかし、物事には必ず両面があるように、メリットばかりではありません。
利用を本格的に開始してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、電子書籍というフォーマットが本質的に抱える欠点や、紙の書籍とは異なる注意点を事前に冷静に理解しておくことが極めて重要です。
Kindle(電子書籍)が抱える主なデメリット
中古市場が存在せず、売買ができない
紙の書籍であれば、読み終わった本を古本屋に売って次の本の購入資金に充てたり、逆に絶版本や話題作を中古市場で安く手に入れたりすることが可能です。
しかし、Kindle本は購入者のAmazonアカウントにデジタルライセンスとして紐づけられるデータのため、読み終わった後に第三者に売却したり、譲渡したりすることは一切できません。
全ての書籍を新品で購入する必要がある点は、コスト面でのデメリットと言えます。
家族や友人との「貸し借り」ができない
「この本、すごく面白かったから読んでみて!」と、感動を共有するために友人に本を貸す。これもまた、読書の大きな喜びの一つです。
前述の通り、Kindle本はアカウントに紐づいているため、このような紙の本ならではの気軽な貸し借りは基本的に不可能です。これが、長年の読書家が電子書籍に馴染めないと感じる、最も大きな理由の一つでもあります。
読書に特化した専用端末はモノクロ表示である
目に優しいE-inkディスプレイを採用した読書専用のKindle端末(Kindle、Kindle Paperwhiteなど)は、その技術的な特性上、カラー表示に対応していません(一部海外でカラーモデルが発表されていますが、2025年現在、日本では未発売です)。
そのため、これらの端末でカラーの漫画や図版の多い雑誌、写真集などを読むと、すべてが白黒の濃淡で表示されてしまいます。コンテンツによっては本来の魅力や情報が十分に伝わらない可能性がある点は、大きな注意点です。
物理的な「所有感」や「質感」を得にくい
ずらりと並んだ本棚の背表紙を眺めることに喜びを感じる方、ページをめくる指先の感触や、紙とインクの独特の匂いが好きだという方は少なくありません。
デジタルデータであるKindle本では、このような物理的な「モノ」としての所有感や質感を味わうことはできません。コレクションする喜びや、物体としての本への愛着を重視する方にとっては、少し物足りなく、味気なく感じてしまうかもしれません。
これらのデメリットを十分に理解した上で、それでもなお「何千冊もの本をポケットに入れて持ち運べる」「部屋が本で埋もれることがない」「欲しいと思った瞬間に、深夜でも本が手に入る」といった電子書籍ならではのメリットの方が、ご自身のライフスタイルにとって大きいと感じるかどうか。
それが、Kindleを本格的に利用するかどうかを判断する上での、重要な分かれ道となるでしょう。
サービス終了のリスクについて
デジタルデータとして提供されるサービスを利用する上で、多くの人が潜在的に抱く不安。
それが「もしも、このサービス自体が終了してしまったら、自分が購入したコンテンツ(データ)はどうなってしまうのか?」という、いわゆるサービス終了リスクです。これはKindleも例外ではありません。
万が一、提供元であるAmazonがKindle事業から撤退する、あるいは日本市場でのサービスを終了するという最悪の事態が起きた場合、理論上は購入済みの本が一切読めなくなってしまうというリスクは、残念ながらゼロではありません。
実際に、前例がないわけではありません。Amazonは2023年6月30日をもって、中国市場におけるKindle電子書籍ストアの運営を停止しました。
ただ、この際には一方的にサービスを打ち切るのではなく、既存のユーザーが購入済みの本をダウンロードするための猶予期間を1年間設けるなど、ユーザーへの影響を最小限に抑えるための措置が講じられました。
この事実を踏まえ、サービス終了リスクについては以下のように多角的に考えることができます。
サービス終了リスクへの現実的な考え方
- 世界的巨大企業が提供する中核事業であるという安心感Amazonは世界でも有数の巨大テクノロジー企業であり、Kindleは単なる一事業ではなく、同社のデジタルコンテンツ戦略の中核を担う重要なサービスです。全世界に数多くのユーザーを抱えるこの事業を、何の予告もなく突然サービスを完全に終了させ、ユーザーが一方的に多大な不利益を被るような事態に陥る可能性は、ビジネス倫理やブランドイメージの観点からも、現時点では極めて低いと考えるのが合理的です。
- ユーザー保護とデータ移行の可能性仮に、将来的にKindleというプラットフォームが技術の進化によって別の形に生まれ変わる、あるいは他社に事業が売却されるといった事態が起きたとしても、既存ユーザーが購入したコンテンツの閲覧権利は法的に保護され、何らかの形で新しいサービスへデータを移行できる措置が取られる可能性が非常に高いでしょう。前述の中国市場での対応が、その一つの証左と言えます。
もちろん、リスクが皆無とは断言できません。しかし、物理的な本も、火災や水害、あるいは経年劣化によって失われるリスクは常に存在します。どちらが絶対的に安全で、永続性があるとは一概には言えないのです。
プラットフォームとしてのAmazonの将来性をどの程度信頼できるか。それもまた、電子書籍という新しい読書の形を選ぶ上での、一つの重要な判断基準となります。
まとめ:kindle版とは電子書籍サービス
この記事では、Kindle版の基本的な概念から、具体的な料金プラン、様々なデバイスでの使い方、そして電子書籍ならではのメリット・デメリットに至るまで、初心者の方が抱くであろうあらゆる疑問に対して網羅的に解説しました。
最後に、本記事の最も重要な要点をリスト形式で簡潔にまとめます。
ポイント
- Kindle版とはAmazonが提供する電子書籍および関連サービスの総称
- Kindleストアの利用自体は無料で月額料金はかからない
- 料金は読みたい本を1冊ずつ購入するのが基本
- 電子書籍は紙の本より価格が安く設定されていることが多い
- 月額980円で200万冊以上が読み放題のKindle Unlimitedがある
- プライム会員なら追加料金なしでPrime Readingが利用可能
- Kindle本の購入はスマホアプリからできずWebブラウザ経由で行う
- 購入した本は無料のKindleアプリで読める
- 専用のKindle端末がなくてもスマホやPCで読書は可能
- 専用端末は目が疲れにくいE-inkディスプレイが最大の特徴
- スマホは手軽だが長時間の読書では目が疲れやすい
- PCは専門書や資料の閲覧に適している
- Kindle本のデメリットは売却や貸し借りができないこと
- 専用端末の多くはモノクロ表示である点に注意が必要
- サービス終了で本が読めなくなるリスクは極めて低いと考えられる
※クリックするとAmazonプライム公式サイトに飛びます。期間内に解約すると料金はかかりません。