kindleノートブックという言葉に興味をお持ちでしょうか。電子書籍リーダーとして有名なKindleですが、近年「ノートブック」としての機能が注目されています。
もしかすると、「キンドルのノートブックとは何?」と、その具体的な機能について疑問に思ったり、特に手書き機能を搭載したKindle Scribeのレビューやその使い方に深い関心があるのかもしれません。
また、「Kindleでメモは取れますか?」という基本的な疑問から、読書中やノートとして作成したメモをどのようにエクスポートするのか、そして本当に紙のノート代わりになるのかどうか、その実用性を知りたい方もいらっしゃるでしょう。
さらに、高機能なノートブックとiPadとの比較やGoogleが提供するAIノートツールであるノートブックLMといった他のノートアプリとの違い、あるいはKindle Scribeの欠点は何かも、購入を検討する上で重要な判断材料です。
この記事では、Kindleのノートブック機能に関するあらゆる疑問に、詳細かつ客観的に答えていきます。
本記事の内容
- Kindleのノートブック機能の概要とScribeの特徴
- Scribeの具体的な使い方とメモのエクスポート手順
- Kindle Scribeのメリットとデメリット(レビュー含む)
- iPadやアナログノートとの違いと最適な選び方
本ページの情報は2025年10月時点の情報です。最新の配信情報は配信サイトにてご確認ください。
kindleノートブックの基本機能と概要
ポイント
- キンドルのノートブックとは何?
- Kindleでメモは取れますか?
- 基本的な使い方とデータのエクスポート
- ノート代わりとしての活用法
- Kindleのサービスは日本でいつ終了?
キンドルのノートブックとは何?
「kindleノートブック」という言葉は、多くの場合、Amazonが2022年後半に発売した「Kindle Scribe(キンドル スクライブ)」という特定のデバイスが持つ、高度な手書きノート機能を指しています。
これは、従来のKindleシリーズが主に電子書籍を「読む」ことに特化した端末だったのに対し、Scribeは「読む」機能に加えて「書く」機能を本格的に統合した、Kindle史上初の2-in-1モデルです。
Kindle Scribeの最大の特徴は、10.2インチというKindle史上最大のE Ink(電子ペーパー)ディスプレイを搭載している点です。E Inkは、紙の印刷物と同じように反射光を利用して表示するため、液晶ディスプレイのように自ら発光しません。
これにより、長時間の読書や筆記でも目が疲れにくく、直射日光下でもはっきりと読みやすいという大きな利点があります。
この大画面に専用のスタイラスペン(標準ペンまたはプレミアムペン)を使って、まるで紙のノートに書いているような自然な感覚で手書きのメモを取ったり、アイデアをまとめたりすることが可能です。
もちろん、従来のKindle端末(Paperwhiteなど)でも、読書中に文章をハイライトしたり、画面上のキーボードで短いテキストメモを残したりする機能は存在しました。
しかし、Scribeはそれらとは一線を画し、ホーム画面から「ノートブック」セクションにアクセスし、白紙のノートブックを新規に作成して自由に書き込める点が決定的に異なります。
さらに、外部から取り込んだPDFファイル(仕事の資料や論文など)の余白や本文中に、直接手書きで注釈を加える機能も備えており、単なる読書端末を超えた活用が期待されています。
Kindleでメモは取れますか?
はい、Kindle端末でメモを取ることは可能です。ただし、その方法はデバイスによって大きく異なり、お持ちの端末がKindle Scribeか、それ以外のモデル(Paperwhite、Oasis、無印Kindle)かによって、できることが全く違います。
Kindle Scribeの場合
Kindle Scribeでは、主に2種類の高度なメモ機能が利用できます。
- 手書きノートブック機能:これが「kindle ノートブック」の核となる機能です。ホーム画面の「ノートブック」タブから新しいノートを作成します。その際、単なる白紙だけでなく、罫線(複数種類)、方眼紙、ドット方眼、ToDoリスト、スケジュール帳(デイリー/ウィークリー)、五線譜など、Amazonによると18種類以上の豊富なテンプレートから用途に合ったものを選び、自由に手書きできます。作成したノートはフォルダで分類・管理することも可能です。
- 電子書籍への「付箋」メモ機能:Kindleストアで購入した電子書籍を読んでいる最中、気になった箇所に手書きの「付箋(ふせん)メモ」を追加できます。これは、本の本文ページに直接書き込むわけではなく、該当箇所をペンでタップ(または範囲選択)すると付箋アイコンが表示され、それをタップすると専用のメモ欄(ポップアップウィンドウ)が現れ、そこに手書きでメモを書き込む形式です。書き込んだメモは、ハイライトと同様に一覧で確認できます。
Scribe以外のKindle端末(Paperwhiteなど)の場合
Kindle PaperwhiteやKindle Oasis、スタンダードなKindleモデルでは、手書き機能は一切搭載されていません。これらの端末で利用できるメモ機能は、以下の2つが中心となります。
- ハイライト: 読書中に文章を指で長押ししてドラッグし、重要な部分にマーカーを引くように色を付ける機能です。
- テキストメモ: ハイライトした箇所や特定の単語に対して、画面上に表示されるソフトウェアキーボードを使って、テキスト(文字)でコメントを保存する機能です。

基本的な使い方とデータのエクスポート
Kindle Scribeのノートブック機能は、多機能なタブレット端末と比較すると非常にシンプルで、デジタル機器に不慣れな人でもアナログのノートに近い直感的な操作感で使えるように設計されています。
そして、作成したデータはKindleの外に持ち出す機能も備わっています。
ノートブックの基本的な使い方
操作は非常に直感的です。ホーム画面下部の「ノートブック」タブをタップし、画面右上の「+」(プラス)ボタンを押すと、新しいノートブックの作成が始まります。
作成時には、前述の通り罫線やTo-Doリスト、方眼紙など、目的に応じたテンプレートを選択できます。ノートブックに名前を付ければ準備完了です。
あとは、付属のペンで画面に直接書き込むだけです。ペンツールからは、ペンの種類(ペン、マーカー)、太さ(5段階)、消しゴム機能などを選択できます。
特に「プレミアムペン」を使用している場合は、ペンの上部に専用の消しゴム機能があり、ペンを持ち替えることなく素早く修正が可能です。
作成したノートやページは自動で保存され、後からノートブックの一覧画面でフォルダを作成し、ドラッグ&ドロップで分類・管理することもできます。
データのエクスポート(送信)方法
Kindle Scribeで作成したノートブックは、Amazonアカウントに登録されているメールアドレス宛にPDF形式で送信することで、外部にデータとして書き出す(エクスポートする)ことができます。
ノートブックの一覧画面で、該当するノートのメニュー(…)をタップし、「共有」を選択、次に「メールで送信」を選びます。この操作により、ノートブック全体が1つのPDFファイルとしてAmazonのサーバーからメール添付で送信されます。
これにより、PCや他のタブレット、スマートフォンでノートを閲覧したり、印刷したり、他の人と共有したりすることが可能になります。
また、逆の操作として、PCなどからKindle Scribeにドキュメントを送る「Send to Kindle」という機能も強化されています。AmazonのSend to Kindleのウェブページやアプリ、あるいはMicrosoft Wordのアドイン(Microsoft 365サブスクリプションが必要)から、Word文書(.docx)やPDFファイルをScribeに送信できます。
送信されたドキュメントには、電子書籍と同じように手書きで注釈を加えることができ、それを再度PDFとしてエクスポートすることも可能です。
エクスポートに関する重要な注意点
作成したノートブックは、Kindle Scribe本体とAmazonのクラウド上(Kindleライブラリ)には自動で同期・保存されます。しかし、スマートフォンやPC、他のKindle端末の「Kindleアプリ」では、Scribeで作成した手書きノートブックを直接開いて閲覧・編集することはできません(2025年10月現在の仕様)。あくまでScribe本体で完結する機能であり、他のデバイスで見るには上記「メールで送信」の手動エクスポートが必要です。
ノート代わりとしての活用法
Kindle Scribeは、その「E Inkディスプレイ」と「手書き機能」というユニークな特性を活かして、さまざまなビジネスシーンや学習シーンで、従来の紙のノート代わりとして活躍する潜在能力を持っています。
例えば、以下のような具体的な活用法が考えられます。
- 会議の議事録・ミーティングメモ:罫線やToDoリストのテンプレートを使い、会議の決定事項やネクストアクションをその場で記録します。会議終了後、すぐにPDFとしてエクスポートし、関係者に議事録として共有できます。紙のようにかさばらず、過去の議事録もScribe1台で管理できます。
- アイデアメモ・ブレインストーミング:思いついたアイデアや構想を、白紙のテンプレートに自由に書き留められます。デジタルなのでページの残量を気にする必要がなく、思考を途切れさせません。フォルダ分けでプロジェクトごとにアイデアを整理することも容易です。
- 学習ノート・論文の購読:「Send to Kindle」機能でPDF化した論文や専門書、語学のテキストなどをScribeに取り込みます。それらに直接ハイライトを引き、重要なポイントや疑問点を手書きでメモしながら学習を進められます。特に大量の文献を読む必要がある場合に有効です。
- To-Doリスト(タスク管理):専用のTo-Doリストテンプレートを使い、日々のタスクや買い忘れ防止リストとして活用できます。完了した項目はペンでチェックを入れたり消したりできます。
- 日記・ジャーナリング:毎晩の振り返りや思考の整理のために、罫線ノートを選んで日記帳として使うことも可能です。デジタルデータなので紛失のリスクが低く、何年分も蓄積できます。

Kindleのサービスは日本でいつ終了?
Kindleのサービス、特に電子書籍ストアが日本で近々終了するのではないか、という噂は、定期的にインターネット上やSNSで見受けられます。
しかし、2025年10月現在、Amazonの日本法人(アマゾンジャパン合同会社)から「Kindleの電子書籍サービス自体を日本で終了する」という公式発表は一切ありません。
このような噂が流れる背景には、いくつかの複合的な要因が考えられます。
- 中国でのサービス終了という事実:Amazonは、2023年6月30日をもって、中国本土でのKindle電子書籍ストアの運営を停止しました。これは事実であり、主要な経済ニュース(例えば、ロイター通信の報道など)でも取り上げられました。このニュースが「中国で終わるなら、次は日本でも?」という憶測を呼んだ最大の要因である可能性が高いです。ただし、これは中国市場特有の厳しい競争環境や規制など、日本とは異なる事情によるものと報じられています。
- 一部機能の変更・終了のアナウンス:過去にAmazonが、Kindleサービス全体ではなく、「PCへのKindle書籍のダウンロード保存機能」といった一部の古い機能の提供を終了する、といったアナウンスを行うことがありました。こうしたサービス全体に関わらない一部の機能変更の情報が、伝言ゲームのように広がる過程で「Kindleサービスそのものが終了する」と誤って解釈され、拡散されてしまうケースがあります。
結論:現時点での心配は不要
結論として、Kindleストアは日本国内の電子書籍市場において依然として大きなシェアを持つ主要プラットフォームの一つであり、活発に運営されています。Kindle Scribeのような高価格帯の新製品が継続的に投入されていること自体が、Amazonが日本市場でのサービス継続に意欲的であることの表れとも言えます。
そのため、ユーザーとして現時点でサービス終了を過度に心配する必要は低いと考えられます。Amazonのようなグローバル企業の動向については、憶測に惑わされず、公式の発表を待つのが最も賢明です。
Kindle Scribeと他のkindleノートブック比較
ポイント
- Kindle Scribe レビューと評価
- Kindle Scribeの欠点は何?
- ノート ブック LM(ルーズリーフ)との違い
- ノート ブック iPadとの比較
- おすすめのノートアプリ連携
- あなたに合うkindle ノートブックの選び方
Kindle Scribe レビューと評価
Kindle Scribeは、その「読書端末」と「デジタルノート」という2つの側面を持つユニークな立ち位置から、ユーザーレビューでも評価が分かれる傾向にあります。
ここでは、購入者からよく聞かれる良い評価(メリット)と、期待外れだったという悪い評価(デメリット)を客観的にまとめます。
良い評価(メリット)
- 大画面での圧倒的な読みやすさ:10.2インチ、解像度300ppiの大画面は、従来の6インチや7インチモデルとは比べ物にならないほどの情報量と視認性を誇ります。特に活字書籍や、注釈・図版が多い専門書、マンガの細かい書き込みなどを読む際に威力を発揮します。1ページに表示できる情報量が多いため、ページめくりの回数が格段に減り、読書により深く没頭できると高く評価されています。
- 紙に近い自然な書き心地:ディスプレイ表面に施されたマットな処理により、ペンの滑り具合がiPadなどのツルツルしたガラス画面とは全く異なります。適度な摩擦感があり、紙にボールペンや鉛筆で書いている感覚に近いと好評です。この書き心地の良さが購入の決め手になったという声も多くあります。
- 読書とメモのシームレスな連携:前述の通り、本を読みながら気になったことを、デバイスを持ち替えずにそのままメモ(付箋メモ)として書き残せる点をメリットとして挙げる声が多くあります。学習や研究において、インプットとアウトプットが1台で完結します。
- 「集中」できる専用環境:iPadや他のタブレットとは異なり、Kindle Scribeにはブラウザ、メール、SNS、ゲームアプリなどはありません。そのため、デジタル機器でありながら通知に邪魔されることが一切なく、「読む」「書く」という知的な作業に深く集中できる環境が強制的に手に入ります。
- ペンの充電が不要:Kindle Scribeに付属するペン(標準ペン・プレミアムペンともに)は、電磁誘導技術(EMR)を採用しており、ペン本体の充電や電池交換が一切不要です。使いたいときにいつでも使えるこの仕様は、Apple Pencilなど充電が必要なペンと比較して大きな利点です。※プレミアムペンには消しゴム機能とショートカットボタンが搭載されています。
悪い評価(デメリット)
- 物理的な重さとサイズ:端末本体だけで約433gあり、これはKindle Oasis(約188g)の2倍以上です。さらに純正のカバー(別売)を装着すると総重量は600gを超え、iPad Airとほぼ同等かそれ以上になります。そのため、「片手で持って寝ながら読書するには重すぎる」「通勤電車で使うには大きすぎる」というレビューが非常に多く見られます。携帯性よりも、据え置いて使うデバイスと割り切る必要があります。
- ページの反応速度(もっさり感):これはE Ink(電子ペーパー)の技術的な特性ですが、ページの切り替えやメニュー操作時の反応速度(リフレッシュレート)が、iPadなどの液晶タブレットの滑らかな動きに比べて明らかに遅く、「もっさりしている」と感じる人もいます。読書や筆記には十分な速度ですが、高速な操作感を期待するとギャップを感じるでしょう。
Kindle Scribeの欠点は何?
Kindle Scribeの購入を検討する際、特にiPadのような多機能タブレットと比較している場合、事前に把握しておくべき「欠点」や「仕様上できないこと」がいくつかあります。これらを理解しないまま購入すると、「期待と違った」ということになりかねません。
Kindle Scribeの主な欠点・できないこと
- カラー表示が一切できない:E Inkディスプレイは白黒(グレースケール)表示のみです。そのため、カラーの雑誌や、色分けが重要なグラフやイラスト、Webページの閲覧には全く向きません。あくまで活字とモノクロの線画が中心のデバイスです。
- 手書き文字のテキスト認識(OCR)がない:Scribeで手書きした文字を、後から検索可能なデジタルテキストデータに変換する機能(OCR)は搭載されていません。手書きメモはあくまで「手書きの画像(ストロークデータ)」として保存されます。そのため、ノート内の手書き文字をキーワード検索する、といった使い方はできません。
- サードパーティ製アプリの追加ができない:Kindle Scribeは、Amazon独自のKindle OSで動作しています。iPadOSやAndroidのように、App StoreやGoogle Playから高機能なノートアプリ(GoodNotesやEvernoteなど)を自由にインストールすることは一切できません。機能はAmazonが提供するものに限られます。
- Webブラウザや動画視聴は実質不可:機能は「読む(電子書籍・PDF)」と「書く(ノート・付箋)」に完全に特化しています。一応、実験的なブラウザ機能はありますが、E Inkの反応速度と白黒表示のため、現代のWebサイトを快適に閲覧することは不可能です。動画再生ももちろんできません。
- 他端末のKindleアプリと手書きメモが同期しない:前述の通り、Scribeで書いたノートブックは、同じAmazonアカウントのスマートフォンやPCのKindleアプリでは閲覧・編集できません。あくまでScribe本体とクラウド上にバックアップされるだけで、シームレスなマルチデバイス連携はできません(メールでのPDFエクスポートが必要です)。
これらの点は、Scribeが「読書とメモに集中するための専用機」であることの裏返しでもあります。多機能性や柔軟なデータ連携を求める場合は、これらの欠点が購入の障害となる可能性が高いです。
ノート ブック LM(ルーズリーフ)との違い
検索キーワードとして見られる「ノート ブック LM」には、二つの意味が考えられます。一つはGoogleのAIサービス「NotebookLM」、もう一つは昔ながらのアナログ文具「ルーズリーフ(Loose Leaf Binder)」です。
Google「NotebookLM」との違い
もし「ノート ブック LM」がGoogleの「NotebookLM」を指している場合、これはKindle Scribeとは全くカテゴリが異なるものです。
NotebookLMはAIを活用したリサーチおよび執筆アシスタントであり、物理的なデバイスではありません。
ユーザーがアップロードした資料(PDF、Googleドキュメント、Webサイト)をAIが読み込み、その内容に基づいて要約を作成したり、質疑応答を行ったり、アイデアの壁打ちをしたりするための「情報処理ツール」です。
一方、Scribeは手書きで「情報を入力・記録する」ためのデバイスです。
アナログの「ルーズリーフ」との違い
一方、もしアナログの「ルーズリーフ」との比較であれば、Kindle Scribeとの違いは「デジタルノート」と「アナログノート」の根本的な差になります。どちらが優れているかは、利用シーンと個人の好みによります。

両者のメリット・デメリットを比較表にまとめます。
比較項目 | Kindle Scribe(デジタルノート) | ルーズリーフ(アナログノート) |
一覧性 | 低い(一度に1ページしか見れない) | 高い(机に何枚も広げて比較検討できる) |
携帯性・集約性 | 非常に高い(数千ページ分を薄い端末1台に集約) | 低い(量が増えるとかさばり、重くなる) |
検索性・管理 | 高い(タイトルやフォルダで管理しやすい) | 低い(物理的に探す必要があり、紛失リスクも) |
編集・修正 | 非常に容易(消去、コピー、移動が自在) | 困難(消しゴムには限界があり、ページの入れ替えのみ) |
共有性 | 高い(PDFで即座にメール送信可能) | 低い(スキャンや撮影の手間がかかる) |
コスト | 高い(端末本体の初期費用が高額) | 非常に安い(紙とバインダー代のみ) |
筆記具 | 専用ペンのみ(充電不要) | 自由(好きな万年筆、ボールペンを選べる) |
バッテリー | 必要(ただしE Inkなので持ちは非常に良い) | 不要 |
思考を広げるブレインストーミングなど、複数の情報を同時に俯瞰したい場合は、机に広げられるアナログのルーズリーフが今でも強力です。一方、情報を一元管理し、検索性や共有性を高めたい場合はScribeに軍配が上がります。
ノートブックとiPadとの比較
Kindle Scribeを検討する上で、最も強力なライバルとなるのが、Apple Pencilを使ったiPadでのノートテイキングです。
この2つのデバイスは、「タブレットにペンで書く」という点で似ているようで、その設計思想、得意分野、そしてユーザー体験は全く異なります。
結論から言えば、「読書とメモだけに深く集中したい」ならScribe、「ノート機能を含めた全てを多機能にこなしたい」ならiPadという選択になります。
両者の決定的な違いを表にまとめます。
比較項目 | Kindle Scribe | iPad (Apple Pencil対応モデル) |
主な用途 | 読書とメモに特化(専用機) | 万能(多機能タブレット) |
ディスプレイ | E Ink (電子ペーパー) ・白黒表示のみ ・自発光せず目に優しい ・直射日光下でも読書可能 | 液晶 / OLED (有機EL) ・フルカラー表示 ・バックライトで自発光(暗所で眩しいことも) ・直射日光下では見にくい |
書き心地 | 紙に近い適度な摩擦感 (ペーパーライク) | ガラス上の滑らかな感触 (ツルツル) ※ペーパーライクフィルムで調整可 |
ペンの充電 | 一切不要 (EMR方式) | 必要 (Apple Pencil 第1/第2/Pro) |
バッテリー持続時間 | 非常に良い (読書とメモ中心なら数週間) | 普通 (多機能に使うと1日~数日程度) |
集中できる環境 | 非常に高い (通知や誘惑が一切ない) | 低い (SNS、メール、ゲーム等の通知や誘惑が多い) |
ノート機能 | 限定的 ・テキスト認識(OCR) なし ・図形の自動整形 なし | 非常に高度 ・テキスト認識(OCR) あり (標準メモ、GoodNotes等) ・図形の自動整形 あり |
アプリの拡張性 | 不可 (Kindle OS) | ほぼ無限 (App Storeに高機能アプリ多数) |
価格帯 (本体+ペン) | 比較的安価~(構成による) | 高価になりがち |
E Ink(電子ペーパー)とは?
E Inkは、米国のE Ink社が開発・製造する電子ペーパー技術の商標です。その公式サイト(E Ink社)によると、この技術はマイクロカプセル内に帯電した白と黒の顔料(粒子)を封入し、電圧をかけることで粒子を移動させ、文字や画像を表示します。一度表示されると、次の書き換えまで電力をほとんど消費しない(ゼロではない)のが最大の特徴です。また、バックライトで自ら光る液晶とは異なり、紙のように周囲の光(環境光)を反射して表示を見るため、目に優しいとされています。
iPadは、ノートを取るだけでなく、そのノートをテキスト化し、Webで調べ物をし、参考動画を視聴し、作成した資料をメールで送る…という一連の作業が全て1台で可能です。
一方、Scribeは目が疲れにくいE Inkディスプレイと充電不要のペンで、バッテリーを気にせず、誘惑のない環境でひたすら読書とメモに打ち込みたい、という非常にニッチですが強力なニーズに応えるデバイスです。
おすすめのノートアプリ連携
Kindle Scribeの購入を検討している方の中には、iPadの「GoodNotes」や、マルチプラットフォームの「Evernote」「OneNote」のような高機能なノートアプリと連携させたいと考える方もいるかもしれません。
しかし、残念ながら2025年10月現在、Kindle Scribeはこれらのサードパーティ製ノートアプリと直接的に自動同期する機能は搭載していません。
Scribeは基本的にAmazon独自の閉じたエコシステム(Kindleプラットフォーム)内で動作するように設計されています。
そのため、Scribeで取ったノートを他のサービスで恒久的に管理・活用したい場合の基本的な流れは、前述した以下の手動プロセスとなります。
- Kindle Scribeでノートブックを作成し、書き込む。
- 作成が完了したら、ノートブックのメニューから「共有」→「メールで送信」を選択する。
- 自分のメールアドレス(またはEvernote/OneNoteの保存用アドレス)でPDFファイルとして受信する。
- (必要な場合)受信したPDFファイルを、手動でEvernoteやOneNote、またはGoogle Driveなどのクラウドストレージにアップロードして保存・整理する。
この「ノートを取るたびに手動でエクスポートする一手間」を許容できるかどうかが、Scribeの評価を左右する非常に大きなポイントの一つです。
全てのノートが自動でクラウド同期され、どのデバイスからでもシームレスにアクセスできる環境を最優先する場合は、iPadと対応アプリの組み合わせの方が現状でははるかに適しています。
あなたに合うkindle ノートブックの選び方
この記事で解説してきたKindleのノートブック機能、すなわちKindle Scribeがあなたに本当に合うかどうか、最後のまとめとして、Scribeを選ぶべき人・選ぶべきでない人の特徴をリストアップします。
Kindle Scribe(kindle ノートブック)がおすすめな人
- Kindleの電子書籍を、より大きな画面で快適に読みたい人
- 読書をしながら、そのままシームレスにメモを取りたい人
- 紙に近い書き心地のデジタルノートを求めている人
- 目の疲れにくいE Inkディスプレイで長時間の作業をしたい人
- SNSやアプリの通知を遮断し、読書と学習に深く集中したい人
- PDFの資料や論文に手書きで注釈を入れることが多い人
- ペンの充電やバッテリー持ちを気にしたくない人
- ノートの多機能性(テキスト化など)より、書くこと自体のシンプルさを重視する人
Kindle Scribeがおすすめできない人(iPadなどが適している人)
- 手書きしたノートを後からテキスト化(OCR)して活用したい人
- カラーの雑誌や資料、Webサイトを見ながらノートを取りたい人
- GoodNotesやOneNoteなど、高機能なノートアプリを使いたい人
- 作成したノートを、他のスマホやPCと自動で同期させたい人
- 動画視聴やWeb閲覧、メールなど、ノート以外の機能も1台でこなしたい人
- 軽い端末を片手で持って、通勤中などに読書したい人(Scribeは重い)
- ノートの反応速度や、アプリの起動速度を重視する人
※クリックすると公式サイトに飛びます。
期間内に解約すると料金はかかりません