Amazonのサイトを見ていると、この価格は税込みなのか税抜きなのか、ふと疑問に思うことはありませんか?表示価格に税が含まれているのか、また消費税は何%で計算されているのか、はっきりしないと少し不安になりますよね。
この記事では、amazon 税込表示の基本ルールについて詳しく解説します。さらに、個人利用だけでなく、ビジネスシーンで気になる税抜き価格の表示方法や、インボイス制度への対応、領収書に消費税記載なしの場合の対処法も掘り下げます。
消費税がかからない商品の例外、自分で税抜き価格を計算する方法から、出品者の消費税の納税義務や海外事業者との取引まで、網羅的にカバーしていきますので、ぜひ参考にしてください。
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本記事の内容
- Amazonの価格表示が税込か税抜かが分かる
- 消費税がかからないケースや税抜き計算方法
- インボイスや領収書の消費税に関する知識
- 事業者向けの納税や手数料の税務処理
本ページの情報は2025年10月時点の情報です。最新の配信情報は配信サイトにてご確認ください。
基本解説: Amazonの価格は税込表示
ポイント
- Amazonは税込み?税抜き?
- 総額表示義務と表示価格の税
- 適用される消費税は何%か
- 税込価格からの税抜き計算方法
- サイトでの税抜き価格の表示方法
- 消費税がかからない商品のケース
Amazonは税込み?税抜き?
結論から言うと、Amazon.co.jpのサイトに表示されている商品の価格は、すべて消費税込みの価格です。これは、一般の消費者向けに販売されている商品だけでなく、オプションとして追加される配送料やギフトラッピングなどの各種手数料にも同様に適用されます。
つまり、あなたが商品ページで見た金額が、基本的にはそのまま支払うべき金額になると考えて全く問題ありません。
例えば、サイト上で1,100円と表示されている商品の購入手続きを進めても、決済画面でいきなり消費税が10%加算されて1,210円を請求される、といったことは起こらないのです。
ポイント
Amazonの価格は、一部の特殊なケースを除き「総額表示」が徹底されています。表示価格=支払価格の基本、と覚えておくと非常に分かりやすいでしょう。
ただし、ごく稀にですが、最終的な請求金額が表示価格と異なるケースも存在します。これは価格表示の誤りではなく、主に購入者の操作や選択に起因するものです。
具体的には、「有料の配送オプションを選択した」「カートに入れたまま忘れていた別の商品を同時に購入してしまった」「予約商品の価格が変動した」といった理由が考えられます。これらの詳細については、後ほど改めて詳しく解説します。
総額表示義務と表示価格の税
Amazonが税込価格で表示している最も大きな理由は、日本の法律にあります。財務省が定める通り、2021年4月1日から消費者に対して価格を表示するすべての事業者に対し、「総額表示」が完全に義務化されたためです。(出典:財務省「総額表示」の義務付け)
この総額表示義務とは、消費者が値札や広告などで見た価格が、最終的に支払うべき金額の総額であることが一目で分かるようにするための制度です。
これにより、消費者は異なる店舗やサービス間での価格比較が容易になり、「安いと思ったのに、レジで消費税が加算されて想定より高くなった」というような不意打ち感をなくすことができます。
総額表示義務化の歴史
実は、総額表示は2004年に一度義務化されました。しかし、消費税率が5%から8%、8%から10%へと段階的に引き上げられる際、事業者がすべての値札を貼り替える負担を軽減するため、時限的に税抜価格の表示も許容する「消費税転嫁対策特別措置法」が施行されていました。その特例措置が2021年3月31日をもって失効したため、翌4月1日から、再び総額表示が完全義務化されたという歴史的背景があります。
したがって、Amazonもこの法律に従い、消費者にとって透明性の高い価格表示を徹底しているわけです。これは楽天やYahoo!ショッピングといった他の主要なECサイトや、日本国内のスーパー、コンビニなどの実店舗でも同様の対応が取られています。
適用される消費税は何%か
現在、日本で適用されている消費税率は、原則として標準税率の10%です。Amazonで販売されている書籍、家電、衣料品、各種サービスなど、ほとんどの商品にはこの10%の消費税率が適用されています。
しかし、一部の商品には「軽減税率制度」が適用され、消費税率が8%になる場合があります。国税庁の指針によると、軽減税率の対象となるのは、主に以下の品目です。
軽減税率(8%)の対象品目
- 飲食料品:食品表示法に規定される食品全般を指します。ただし、酒類や外食、ケータリングなどは対象外です。
- 新聞:週2回以上発行される新聞で、定期購読契約に基づくものに限ります。
Amazonでミネラルウォーターやお米、お菓子といった飲食料品を購入した場合、これらの商品には8%の税率が適用されます。
注文確定前の画面や、購入後に発行される請求書・領収書で、どの商品にどの税率が適用されているかを正確に確認することが可能です。
一体資産の税率
おもちゃ付きのお菓子(いわゆる食玩)のように、食品と食品以外の商品がセットになった「一体資産」の扱いは少し複雑です。税抜価格が1万円以下であり、食品の価額の占める割合が3分の2以上である場合など、特定の条件を満たせば全体が軽減税率の対象となりますが、そうでない場合は全体が標準税率(10%)の対象となります。
税込価格からの税抜き計算方法
Amazonの表示は税込価格が基本ですが、家計簿の記録や個人事業主の経費計算などで、税抜きの本体価格を正確に知りたい場面もあるでしょう。その場合、電卓一つあれば簡単な計算で税抜き価格を算出することが可能です。
計算方法は、その商品に適用されている消費税率によって異なりますので、飲食料品かどうかを確認してから計算しましょう。
税抜き価格の簡単な計算式
- 標準税率10%の場合:税込価格 ÷ 1.1
- 軽減税率8%の場合:税込価格 ÷ 1.08
例えば、税込価格が2,200円のイヤホン(税率10%)であれば、「2,200円 ÷ 1.1 = 2,000円」が税抜き価格です。同様に、税込価格が1,080円のミネラルウォーター(税率8%)であれば、「1,080円 ÷ 1.08 = 1,000円」が税抜き価格となります。

もちろん、購入後にアカウントサービスからダウンロードできる納品書や領収書には、税抜き価格と消費税額がはっきりと明記されています。急いで計算する必要がなければ、購入後の書類で確認するのが最も確実な方法です。
サイトでの税抜き価格の表示方法
一般の消費者向けのAmazon.co.jpでは、前述の通り税込価格のみが表示され、税抜き価格を確認することはできません。
しかし、法人および個人事業主向けの購買に特化したサービスである「Amazonビジネス」に登録すると、税抜価格と税込価格の両方が併記されるようになります。
これは、ビジネスユーザーが経費計算や仕入れ価格の把握をよりスムーズに行えるようにするための重要な機能です。
Amazonビジネスのアカウントでログインしてサイトを閲覧すると、商品ページや検索結果画面で、税抜価格が大きく表示され、そのすぐ横に参考として税込価格が小さく表示される仕様に切り替わります。
Amazonビジネスのメリット
Amazonビジネスは、価格表示の変更だけでなく、「請求書払いによる後払い」「購入承認ルールの設定」「法人限定価格や数量割引」など、企業の購買活動を効率化するための多くの機能が無料で提供されています。
ただし、Amazonビジネスを利用している場合でも、以下のような消費税の性質上、税抜価格が表示されない商品も存在します。
- 免税商品:特定の条件下で消費税が免除される商品。
- 非課税商品:土地の譲渡や有価証券、商品券など、社会政策上の配慮などから消費税が課税されないと定められている商品。
- 不課税商品:国外での取引や、対価を得て行う取引でない寄付など、そもそも消費税の課税対象とならない取引。
個人でAmazonを利用している場合は税抜き価格を見る機会はほとんどありませんが、もし事業用途で利用する際には、Amazonビジネスへの登録を検討すると経理処理が格段に楽になります。
消費税がかからない商品のケース
世の中には、その性質上、消費税が課税されない取引があり、これはAmazonでの買い物においても同様です。消費税がかからない取引は、大きく分けて「非課税」「不課税」「免税」の3種類があります。
Amazonの利用で特に関係が深いのは、以下のケースです。
非課税・不課税商品
最も代表的なのがAmazonギフトカードです。商品券やプリペイドカードと同様に、これらは「前払式支払手段」と見なされ、購入時点では課税されません。資産の譲渡ではなく、後で商品やサービスを受け取るための権利の購入とみなされるためです。
ただし、ここで重要なのは、Amazonギフトカードを使って課税対象の商品(例:本や家電)を購入する際には、その商品代金に対して通常通り消費税が課税されるという点です。ギフトカードはあくまで支払い手段の一つに過ぎません。
国外での取引(免税)
消費税は、日本の「国内」において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税される税金です。そのため、商品の発送先(届け先)が海外である場合は、輸出免税のルールが適用され、日本の消費税は課税対象外となります。
注意:サイト上の表示について
非課税商品であっても、Amazonのサイト上ではシステムの都合上、便宜的に「税込」という形で価格が表示されている場合があります。しかし、その場合でも請求時には正しく税抜価格(非課税)として処理され、請求書や領収書にもその旨が反映されますのでご安心ください。
このように、購入する商品やサービスの種類、取引の条件によっては消費税がかからない場合があることを覚えておくと、請求内容への理解がより深まるでしょう。
事業者向け: Amazonの税込処理と注意点
ポイント
- 海外からの販売と消費税の扱い
- 出品者の消費税の納税義務
- インボイス制度への対応について
- 領収書に消費税記載なしの場合
海外からの販売と消費税の扱い
Amazonのマーケットプレイスを見ていると、日本国内の出品者だけでなく、海外に拠点を置く出品者も多数存在することに気づきます。
消費税は原則として国内取引に課税されるため、「海外のセラーから買ったら消費税はどうなるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論として、購入者が日本国内で商品を受け取る場合、たとえ販売元が海外の事業者であっても、原則として日本の消費税が課税されます。
これは、国境を越えて行われるデジタルサービスや商品の販売に対して適切に課税するための「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税」という制度に基づいています。
この制度を円滑に運用するため、Amazonに出品している多くの海外事業者は、「登録国外事業者」として日本の国税庁に登録しています。
これにより、彼らは日本の事業者と同様に、消費者から消費税を預かり、日本に納税する義務を負っているのです。(参考:国税庁 登録国外事業者の名簿)
Amazon関連の登録国外事業者
Amazonのヘルプページにも記載されていますが、Kindleコンテンツなどを販売する「Amazon.com Sales, Inc.(登録番号00010)」や、各種サービスを提供する「Amazon Services International LLC(登録番号00003)」といったAmazonの関連会社自身も登録国外事業者として登録されており、適切に日本の消費税を処理しています。
購入者から見れば、出品者が国内か海外かを過度に意識する必要はなく、表示されている税込価格を支払う、という点で違いはありません。
出品者の消費税の納税義務
今度は、Amazonで商品を販売する出品者(セラー)側の視点で消費税を見てみましょう。出品者は、買い手から商品代金と一緒に消費税を預かることになりますが、その預かった消費税を国に納める義務があるかどうかは、事業者の規模によって決まります。
具体的には、消費税の納税義務は、基準期間(個人事業主の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判断されます。
1,000万円を超える事業者は「課税事業者」として消費税の申告・納税義務が生じ、1,000万円以下の事業者は原則として「免税事業者」として納税義務が免除されます。
課税事業者と免税事業者の違い
| 項目 | 課税事業者 | 免税事業者 |
| 基準期間の課税売上高 | 1,000万円超 | 1,000万円以下 |
| 消費税の納税義務 | あり | 原則なし |
| インボイスの発行 | 可能 | 不可 |

また、Amazonの出品者に課される各種手数料(販売手数料やFBA配送代行手数料など)にも消費税が含まれています。
これらの手数料は、出品者にとって経費(課税仕入れ)となるため、課税事業者であれば、支払った手数料に含まれる消費税分を、預かった消費税から差し引いて納税額を計算(仕入税額控除)することができます。
インボイス制度への対応について
2023年10月1日から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、特に法人や個人事業主としてAmazonを利用する上で、非常に重要な制度変更となりました。
この制度の核心は「仕入税額控除」のルール変更にあります。
購入者側(特に課税事業者)が、仕入れや経費にかかった消費税を、自身が納める消費税額から差し引く「仕入税額控除」を適用するためには、売り手である出品者から「インボイス(適格請求書)」を発行してもらい、それを法的な証憑として保存することが必須となったのです。
インボイスを発行できるのは、税務署に申請して登録を受けた「適格請求書発行事業者」だけであり、これは前述の「課税事業者」でなければなることができません。
インボイス(適格請求書)の主な記載要件
- 発行事業者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
Amazonでは、出品者が適格請求書発行事業者として登録している場合、購入者はアカウントサービスの注文履歴から簡単にインボイス(またはそれに準ずる書類)をPDF形式でダウンロードできるようシステムが整備されています。
これにより、購入者はスムーズに必要な書類を入手し、経理処理を進めることが可能になっています。

領収書に消費税記載なしの場合
Amazonの注文履歴から領収書や購入明細書を発行した際に、「消費税額の記載がない」あるいは「消費税合計が0円になっている」という状況に遭遇することがあります。これにはいくつかの明確な理由が考えられます。
考えられる主な理由
- 購入した商品が非課税・不課税商品だったため
最も分かりやすいケースです。前述の通り、Amazonギフトカードや一部のデジタルコンテンツなどは消費税の課税対象外です。これらの商品のみを購入した場合は、そもそも消費税が発生していないため、領収書にも消費税額は記載されません。 - 商品を販売した出品者が「免税事業者」だったため
Amazonマーケットプレイスの商品を購入した場合、その販売者が免税事業者である可能性があります。免税事業者は、消費者から消費税を預かって納税する義務がないため、そもそも消費税を請求することができません。結果として、領収書にも消費税額を表示することができないのです。
特にインボイス制度開始後は、この2番目の理由がより重要になりました。出品者が適格請求書発行事業者でない(=多くは免税事業者)場合、その出品者が発行する領収書はインボイスの法的要件を満たさず、消費税額の内訳も記載されません。
事業者の方への注意
事業用途での購入で、経理処理上、どうしても消費税額が明記されたインボイスが必要な場合は、注文前に出品者の情報(出品者プロフィールページの「特定商取引法に基づく表記」など)を確認し、「適格請求書発行事業者登録番号」の記載があるかどうかを見ておくことが、後のトラブルを避けるための確実な方法です。
まとめ: amazonの税込価格を正しく理解
この記事では、Amazonの価格表示と消費税に関する様々なルールや注意点について、基本的な知識から事業者向けの専門的な内容まで幅広く解説しました。最後に、本記事の要点をリスト形式で総まとめします。
ポイント
- Amazonの商品価格は法律に基づき原則としてすべて消費税込みの総額表示
- 総額表示は2021年4月からの法律で事業者に義務付けられている
- 消費税率は標準10%だが飲食料品などには軽減税率8%が適用される
- 税込価格を1.1で割ると税率10%の商品の税抜価格が分かる
- 税込価格を1.08で割ると税率8%の商品の税抜価格が分かる
- 法人・個人事業主向けのAmazonビジネスでは税抜価格と税込価格が併記される
- Amazonギフトカードの購入自体には消費税はかからない非課税取引
- ギフトカードを利用して商品を買う際にはその商品代金に消費税が課税される
- 商品の届け先が海外の場合は輸出免税となり日本の消費税はかからない
- 海外の出品者からの購入でも届け先が日本国内なら日本の消費税がかかる
- 出品者は基準期間の課税売上高1,000万円超で消費税の納税義務が発生する
- 2023年10月からインボイス制度が開始され経理処理に影響
- 仕入税額控除を受けるには出品者からインボイスを発行してもらう必要がある
- 購入者は注文履歴からインボイスをダウンロードできる場合がある
- 領収書に消費税記載がないのは非課税商品や免税事業者からの購入が主な理由
- 事業目的で購入する際は出品者がインボイス対応か事前に確認すると安心
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